下半身(背中や足など)
①背中・腰
症状:「身体を動かすと痛みますが、動かしていると徐々に慣れていき痛みがなくなります」
原因:筋・筋膜性疼痛
骨や内臓に異常がなく、背中や腰の筋肉にトラブルがある状態です。
使いすぎや、強い刺激により筋肉の損傷または筋膜の硬化が起こり、運動時に痛みが起こります。少しの間動かしているとましになり、普通に動けるようになりますが、毎朝の寝起きや仕事終わりなどで長時間同じ姿勢を続けた後などに、軽~強の痛みが出ます。
当院では痛みのある部分を確認し、関係する筋の緊張を徹底的に緩めます。そのうえで患者様の動きや姿勢を確認し、影響を及ぼす可能性のある所も先回りして施術します。そうすることで、施術後も痛みが出るのを防ぎやすくなります。
症状:「上を向くと背中(腰)が痛く、腰や足にしびれや脱力感を感じます」
原因:椎間板ヘルニア
背骨と背骨の間にある椎間板が、前後左右どれかの方向に突出することにより、血管や神経の圧迫が生じ虚血性の痛みや痺れを伴う状態です。
突出する方向によって、痛みの出る姿勢は異なります。日常生活に支障が出やすいので、正確な治療を行うために、当院では医療機関でのレントゲン及びMRI検査を受診していただき、その結果を考慮して施術内容を決めることもあります。
施術は、椎間板の突出が戻りやすい状況を作るために、脊椎に鍼通電治療をします。また、痛みの出ない姿勢を取るために、歪な形に固まった筋肉の緊張を取り去ることで、正常な骨の位置・身体の姿勢を取り戻す根本治療をします。
症状:「長時間の歩行ができません。100m程度歩くと休憩しなければ足が痺れます」
原因:脊柱管狭窄症
主に、腰部の脊柱に起こりやすい疾患です。
椎間板とは、背骨と背骨の間(脊柱管)に存在するクッションのようなものです。加齢などにより擦り減ったりすると、周囲の血管・神経・筋肉に影響し、腰下肢の痛みや痺れ、ひどい時には排尿障害などを発症します。長時間の方向が困難になることも特徴です。
当院では、脊柱のズレの方向に合わせた鍼通電治療を脊柱の近くに行います。これにより、背骨のズレや周囲の筋肉の緊張緩和、筋肉や神経への血行促進のための治療を行います。症状を緩和させつつ、加齢による血行不良で、栄養不足になった脊柱周囲の筋肉に栄養を行き渡らせ、根本的な治療と同時に再発防止のためのケアを行います。
症状:「足腰に脱力感や痺れを感じます」
原因:胸椎黄色靱帯骨化症
脊椎と脊椎をつなぐ黄色靱帯が骨化することにより、脊柱内の血管や神経を圧迫し、痛みや痺れを発症させます。
下方の胸椎に発症しやすいため、腕や肩よりも腰や足に(3)脊柱管狭窄症と似たような症状がでます。長時間、歩行するのが困難な状態になります。
当院では骨化しているとみられる部分の黄色靱帯を中心に、鍼通電治療を行います。靱帯の柔らかさを取り戻し、さらに血流促進効果により靱帯や周囲の筋肉への栄養供給を促すことで、病気の進行を遅くします。放置したままにすると骨化が進み、背中を曲げるなどの動作も困難になりため、早めの治療開始をお勧めします。
また、この病気は西洋医学的に原因不明の病気とされ難病指定でもありますので、根治という観点からは難題であるといえます。
②臀部・足
症状:「腰が痛く、お尻から太もも、ひどい時は足まで痺れがあります」
原因:坐骨神経痛
坐骨(座ると座面に当たる骨)の内側を通る神経や血管が、周囲の筋肉に圧迫されることにより、圧迫部位より末端部に痺れや痛みを発生させます。「梨状筋症候群」という、坐骨の端から端にわたる筋肉が尻もちなどにより傷つくことで起こる痛みも、似たような症状が出ます。
当院では、鍼と通電治療により深部の筋肉を柔らかくし、神経と血管の圧迫を緩和させ、血流促進のための治療を施します。これにより痺れや痛みが改善されます。鍼を刺したときの響き(ズーンとした感覚)が苦手な方には、弱刺激の治療を複数回施すことで改善を図ります。急な強刺激を施すと、刺激に対して身構えてしまい、余計に筋肉が固くなることを避けるためです。
また、腰痛疾患もお持ちの方の場合は、同時に腰痛治療をすることで、坐骨神経痛の再発防止に努めることができます。
症状:「交通事故により膝をケガして以降、膝から下の脱力感と痺れ・感覚異常があります」
原因:腓骨神経麻痺
外傷によるケガ、腫瘍やギプス固定などにより膝の裏を圧迫され、痛みが出ます。足首や足趾が曲げられない状態(下垂足)になります。
その他にも、腰椎の術後後遺症や、腰椎の手術を行った際に一部を損傷することで発症することもあります。
当院では、痺れや感覚異常のある部位を入念に調べ、該当部位に鍼と通電と灸頭鍼を施術します。問題のある範囲により、施術範囲も異なります。また、発症原因が腰椎の手術の場合は、同時に腰の治療もすることで根本的な改善治療を行います。
痛みを感じている期間が長いほど、治療期間も長くなる可能性が非常に高い疾患ですので、早めの治療開始をお勧めします。
症状:「足をひねり、腫れや痛み、内出血があり、足が動かしにくいです」
原因:捻挫
捻挫自体は一般的によくある整形疾患です。しかし、捻挫にも鍼灸治療が効果的なことはあまり知られていません。
当院では、痛みのある部位に痛みを取る独自の鍼通電治療を施し、痛みと腫れを改善します。さらに小さなお灸を少し熱めに施すことで血行促進を促し、内出血を除去します。これらを続けることにより、徐々に足を動かしやすくなり、アイシングと固定のみで過ごすよりもスムーズな改善が望めます。
もちろん、ひねった時はすぐに冷やし内出血の拡大を抑制することを忘れないでください。
症状:「スポーツをしている際に、足の裏からアキレス腱にかけて痛みがあります」
原因:足底筋膜炎
足底筋膜炎は陸上競技や武道など、地面から直接反動を受ける競技をする方に多く見られます。少年野球のピッチャーなど発症しやすい症状です。
アキレス腱から足裏の筋肉を包む筋膜に炎症が起き、運動動作時に痛みが出るため、通常のパフォーマンスを出せなくなります。鍼灸治療をすることで、炎症の改善を早めることが期待できます。
しかし、再度酷使することにより再発する可能性があるため、完治後のメンテナンスのアドバイスも行います。
※足趾骨折の痛み
足の指を骨折した際に、痛みの緩和として鍼、灸、通電治療が有効です。骨折については医療機関でのギプス固定などを指示を守り、施術を行います。捻挫同様、内出血の除去などにも有効です。