上半身(首や手など)
①首・肩
症状:「首や肩コリがひどく、たまにしびれる感覚もあります」
原因:首コリ、肩コリ
首や肩は大きな筋肉があり、複数の血管・神経が通っています。また、脳にもつながっていますので、コリ症状を放置していると頭痛やめまいなどの頭部の症状に発展することもしばしばあります。 頸椎(背骨の首部分)は腕や手に繋がる神経の出どころにもなっていますので、痺れを感じることも。筋肉の緊張や、関節の不具合が原因であることが多いので、違和感を感じる場合には早期に治療しましょう。治療後には、ご自宅でできるストレッチやセルフケアもアドバイスし、コリをためない生活をサポートします。
症状:「首から肩にかけてコリを感じていて、最近は肩から腕にかけて痺れを感じることがあります」
原因:頚腕症候群
首・肩のコリが慢性化して、固くなった筋肉に血管・神経が圧迫されることで、肩や腕、手に痺れが出ます。頸椎ヘルニアや、頸椎捻挫(むちうち)などを過去に患った場合には、首の骨のズレや不具合から同様の症状が発生することもあります。
当院では、緊張している筋肉と痺れを感じる部位に鍼とお灸をすることで、血流改善と筋肉の緊張緩和を行います。症状が強い場合は、鍼通電を行うことで改善が期待できます。頸椎ヘルニア・捻挫などで過去に治療を受けたことがある場合には、頸椎をつなぐ筋肉に当院独自の鍼通電をすることで根本原因を解決します。
症状:「ドライヤーで髪を乾かしたり、洗濯物を干すときに、肩の周辺がとても痛みます。寝ている時も痛んで、その痛みで目が覚めることがあります」
原因:肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)
中年男性、女性によく起こる肩の炎症疾患です。特徴的な症状として、夜間痛(寝ている時の痛み)、ベルトを通す動作や髪を結ぶ動作が困難なることがあります。
肩は鎖骨・肩甲骨・上腕骨の三つの骨で構成されており、それぞれ、靱帯と筋肉で結合しています。過労や外傷によって靱帯と筋肉に炎症が起き、慢性化することで日常生活に支障が生じるほどの痛みと可動域に制限が生じる状態です。
当院では、症状のある部位に鍼とお灸をすることで血流を促進させ、痛みを解消します。さらに炎症により固まった靱帯と筋肉を和らげ、動きやすくします。また、肩に関連のあるツボを刺激し、違和感・痛みを軽減させます。
治療後にアドバイスするご自宅でできるストレッチや体操を行っていただくと、数週間から数か月のうちに症状が改善する方が多いです。
②肘・手
症状:「テニスをしていて、バックで打つ瞬間に肘の外側に強い痛みを感じます」 「野球の投球動作をすると肘の内側に強い痛みを感じます」
原因:外側上顆炎・内側上顆炎
俗にいう「テニス肘」「ゴルフ肘」「野球肘」です。一定動作の中で、筋肉・靱帯に過剰な負荷が複数回かかることで発症します。多くの場合はスポーツ障害ですが、中には重い荷物を運んだり、強い衝撃が加わることで発症することがあります。痛みや痺れの発症部位によって、外側と内側に名称が分かれます。
当院では、初期段階であれば患部付近を入念に触診し、硬くなっている場所や、患者様ご自身が痛みや痺れを感じている場所に鍼・灸を施術します。ある程度期間が経っている場合は、患部をかばうことで肩や背中、場合によっては腰や足まで痛みが出ることがあるため、罹患期間を問診でお伺いした後に施術場所を触診、施術します。
1~2回の施術で症状が改善する方が多いですが、ぶり返すことあるので、当院では1か月間、週1回ほどの通院をお勧めしています。
症状:「手首を曲げる動作や、細かい作業をする際に手首から手にかけて痺れを感じます」
原因:手根管症候群
手首には正中神経、橈骨神経、尺骨神経が通っていて、それぞれが手の真ん中、親指側、小指側に繋がっています。手根管症候群になるとこの神経が傷つき、手のひらに痛みやしびれを感じます。
当院では、痛みや痺れが起こっている神経に向かって刺鍼します。鍼通電を行うとより高い効果が期待できます。放置してしまうと、手のひらの筋肉の萎縮が起こり、手を使う動作に制限がかかります。そこまで進行した場合は、手の筋肉を円滑に動かせるように施術範囲を広げます。また、罹患期間が長期にわたる場合は、かばって他の部位に痛みや違和感がある場合がありますので、関連する場所も含めて治療します。
症状:「手を使い過ぎたためか、手首から親指の付け根にかけて痛みがあります」
原因:腱鞘炎
手に力を入れた状態で長時間の作業をすることにより、手の腱に強い圧力がかかり炎症が起こります。神経性のびりびりとした痛みではなく、炎症性のジーンとした痛みや、ズキッとした痛み特徴。
初期状態であればアイシングと安静により症状が和らぎますが、放置してそのまま同様の作業を続けてしまうと炎症が悪化し、動かすことが困難になることもあります。
当院では、患部に直接鍼灸を行うことで血行促進と筋緊張緩和を促し、患部の痛みを減少させます。そして、筋肉を主る経絡や精神的・身体的ストレスを軽減することを目的とした施術をすることで、根本的な部分を治療を行います。
症状:「指を曲げ伸ばしすると、痛みがあり関節が入り動かすことができなくなります」
原因:弾発指(ばね指)
主に腱鞘炎が悪化することによって発症します。主症状は腱鞘炎とよく似ていますが、痛みに加えて関節にロックがかかり、手掌の開閉が困難になることがあります。朝の寝起き時など長時間動かしていない時や、冷えている状態の時に症状が強く出ます。
当院では、患部にお灸治療をメインとした治療をします。腱鞘炎から悪化して弾発指になっている場合は、腕や肩にも影響が出ていることが多いので、鍼もしくは鍼通電にて同時に治療します。
また、筋肉を主る経絡や精神的・身体的ストレスを軽減する施術を行うことで、根本的な部分の治療を行います。
症状:「朝に指がこわばります、リウマチの既往があります」
原因:リウマチによるこわばり
リウマチの症状として関節周囲の腫れや痛み、関節拘縮があります。特徴的な拘縮の形をしていて「スワンネック拘縮」と呼ばれています。これが発症すると手が動かしにくくなり、物を掴むことなども困難になります。
当院では、患部に痛みを抑制する鍼通電治療を行うことで、手指を動かすことへの抵抗を和らげます。そのうえで、抗炎症作用を目的とした施術を行うことで痛みの発症を抑えます。西洋のお薬と併用すると高い効果が期待できますが、リウマチは膠原病ですので、多くの場合は治療が長期的になります。また、病気のステージ(Ⅰ~Ⅳのステージ分類がされています)によって、治療の目的が変わりますので患者様としっかりお話をしたうえで治療を進めさせていただきます。